最近では、雑誌やテレビに取り上げられることも増えたせいか、妊活をする女性が増えてきています。
妊婦の高齢化が進んでいるため、いざというときにきちんと妊娠できるよう、いまのうちから身体の状態を整えておこうという意識が広まっているのが理由の一つだとされています。
葉酸というと、妊婦さんが積極的に摂るイメージがありますが、じつは妊活中の人も摂ったほうがいい栄養素なのです。
それはなぜでしょうか?
神経管閉鎖障害を予防できる
神経菅閉鎖症とは、脳や脊髄などが作られるときに異常が起こってしまう先天性の障害のことです。
脊椎が正常に形成されない二分脊椎や、脳が形成されない無頭症、口蓋が裂けて口と鼻がつながる口蓋裂などがこれにあたります。
日本では二分脊椎と無頭症は10,000人に5〜6人、口蓋裂は500人に一人の割合で起こると言われています。
しかし、妊婦が毎日葉酸を摂取すれば、これらの発症リスクを減らすことが可能です。厚生労働省は、葉酸の摂取で70%も神経管閉鎖症を減らせると発表しました。
胎児の脊椎は妊娠から6週までに形成されます。そのため、なるべく早く葉酸を摂らなくてはいけないのですが、妊娠に気づくのが遅れた場合、すでにその期間を超えてしまっていることがあるのです。
よって、6週までに確実に摂ることができるため、妊活中からすでに葉酸を多めに摂取しておいたほうがいいのです。
貧血の改善
貧血の人は妊娠しにくい身体になっていることがあります。妊娠、出産には大量の血液が必要であるためです。また、母体が不健康であると、お腹の中の胎児にも影響を及ぼします。
妊娠してから体質改善をはかるよりも、妊活中に治してしまったほうが、子供への影響は少なくすみます。
葉酸は血液を増やすのに欠かせない栄養素です。特にビタミンB12と一緒に摂ると効果がアップします。
血が増えれば、子宮内に流れる血の量も増えるため着床率が上がり、その後の胎児の成長も良好となります。
子宮内膜を強化
子宮の内膜は受精卵を受け止め育てるベッドです。厚みがありふかふかした内膜ほど、妊娠に適していると言われています。
厚みが足りない内膜は、うまく受精卵を着床させることができません。着床したとしても流れてしまう危険があります。
葉酸は子宮内膜を強化する働きがあります。
子宮内膜の厚さに関係してるのは、卵胞ホルモンです。このホルモンが正しく分泌されないと、子宮内膜は妊娠に適した状態になりません。
葉酸は卵胞ホルモンの分泌を正常に導いてくれるため、結果、子宮内膜が強化され、厚みが増すのです。
このように、葉酸は妊娠しやすいよう、身体を整えてくれる働きがあります。妊活をするなら、ぜひ葉酸を積極的に摂り入れましょう。