葉酸不足によるリスクについて

美容と健康に欠かせない栄養素として、近年注目を集めている「葉酸」。しかし、不足すると具体的にどんな不具合が生じるのかについては、案外知られていません。意識して摂るモチベーションを高めるためにも、主な症状について知っておきましょう。

葉酸の不足=葉酸欠乏症

葉酸が不足している状態を「葉酸欠乏症」と呼びます。葉酸はさまざまな食材に含まれているので、普通に食事をしていればそれほど極端に不足することはありません。しかし、インスタント食品やコンビニ弁当ばかり食べていたり、好き嫌いが多かったりすると、足りなくなってしまう可能性があるので注意が必要です。
特に、お腹の中で胎児を育てる必要のある妊婦さんは、普段より多くの量を摂るようにしましょう。

悪性貧血

葉酸にはビタミンB12と結びついて正常な赤血球を作る働きがありますが、不足すると赤血球が大きくなる「巨赤芽球性貧血」という症状を引き起こし、酸素がうまく運ばれなくなってめまいや頭痛、吐き気などが起きるようになります。

胎児の先天性異常

胎児の体の重要な器官は、妊娠初期に作られます。しかし、この時期にママの体に葉酸が足りていないと、胎児の細胞分裂がうまくいかず「二分脊椎」や「無脳症」などの重い障害が起きるリスクが高まるのです。

生活習慣病

心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる恐ろしい病気は、そのほとんどが動脈硬化によって引き起こされます。原因となる「ホモシステイン」が、悪玉コレステロールと結びついて血管内に付着することで、血流が妨げられるのです。
葉酸には、ホモシステインを無毒化する力があり、十分な量を摂っていれば生活習慣病の発生リスクを抑えることができます。

消化器系の異常

葉酸は口の中や胃腸の粘膜部分に多く存在し、細胞分裂を助けて正常な機能を保つことに役立っています。そのため、不足するとこの働きがうまくいかず、口内炎や下痢、胃潰瘍など、消化器系の異常が現れ始めるのです。
粘膜は体の中でも特に細胞分裂が活発に行われる場所なので、こうした異常に気付いたら、葉酸を積極的に摂るようにしましょう。

肌の老化

葉酸は肌細胞の生まれ変わりを助けるので、十分な量を摂っていると新陳代謝のサイクルが整い、古い角質や残存メラニンが排出されやすくなります。また、たんぱく質の合成もサポートするので、コラーゲンの生成量が増えて肌にハリが出てくるのです。
不足すると肌が老化しやすくなるので、特に女性はしっかり摂っておきたいですね。

今回例として挙げたものは、そのほとんどが日常的に感じる症状ばかりです。そのため、葉酸が不足していることになかなか気付きにくいのですが、とても重要な栄養素なので意識して摂ることが大切です。食事だけでは不足しがちな時は、吸収率の高い市販の合成サプリを利用すると便利ですよ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする