葉酸の正しい摂取法

「葉酸」は、私たち人間が健康に生きていくために欠かせない栄養素。出産後のデリケートな時期にも、さまざまな面で役立ってくれます。しかし、水溶性ビタミンであるために壊れやすく、体内に入るまでにその大部分が失われてしまうことも珍しくありません。どのように工夫すれば、栄養をまるごといただくことができるのでしょうか?

1日あたりに必要な摂取量

葉酸の1日あたりに必要な摂取量は、非妊時で240μg、妊娠時が480μg、そして出産後の授乳期が340μgです。妊娠中ほどではなくても、出産後もかなりの量を必要としていることが分かりますね。食事だけでは摂取量が足りない時は、市販のサプリも利用しながらこまめに補給していきましょう。

調理の際の注意点

葉酸は、食材を水で洗ったり、熱を加えたりすることによって成分が壊れてしまいます。フルーツを軽く拭いてそのまま食べたり、溶け出した汁ごといただける煮込み料理にしたりして、できるだけ栄養が残っている状態でいただくようにしましょう。

ちなみに、葉酸を多く含む食材には次のようなものがあります。
ほうれん草、からし菜、なば菜、グリーンアスパラガス、レバー、アボカド、イチゴ、オレンジ、ささげ、大豆、納豆、そら豆、調整豆乳、ぜんまい、わらびなど。

また、葉酸は食品を長く保存すると、酸化して成分が壊れてしまいます。常温で長期保存できるものであってもできるだけ早く食べきり、常に新鮮なものを購入するようにしましょう。やむを得ず食べかけの食品を保存する時は、チャック付きの袋に入れてしっかり空気を抜くと多少は酸化を抑えることができます。

市販のサプリの上手な飲み方

サプリには「天然」と「合成」の二種類がありますが、このうち、厚生労働省が推奨しているのは合成サプリのほうです。吸収の良い「モノグルタミン酸型葉酸」なので吸収率が高く、同じ量を飲んでもより効率的に摂取することができるのです。
ただ、吸収が良い分、決められた摂取量を超えて服用してしまうと過剰摂取を招きかねません。1日あたりの上限は1400μgなので、食事から摂る分も計算に入れながらこの値を超えないようにしましょう。

注意していただきたいのが、なにか別の薬を服用中の方です。成分同士がぶつかり合って過剰に作用してしまったり、逆に効果が薄れてしまったりすることがあるので、あらかじめかかりつけの医師に相談し、問題がないとOKが出てから飲み始めるようにしてください。

ストレスやホルモンバランスの変化などが原因で、なにかと体調を崩しやすい出産後。妊娠中にずっと摂り続けていた葉酸を継続することで、きちんと心と体のケアをしてあげたいですね。母乳を通して赤ちゃんにも伝わるので、市販のサプリを利用する場合は成分や添加物などに気をつけて選ぶようにしましょう。

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