妊娠中の食事のポイント

妊娠は病気ではないとよく言われますが、お母さんの身体の中では大きな変化が起きています。そのため、食事にも配慮が必要で、妊娠中は栄養バランスやカロリーなどに気をつけるように指導されることがあります。そこで、妊娠中の食事の仕方と栄養素についてお話ししたいと思います。

妊娠中の食事の仕方

妊娠中は特に栄養バランスへの配慮が必要です。しかし、妊娠時特有の体の不調などにより、一日3食しっかり取るのが難しい時もあります。つわりがその代表例ですが、つわりが終わってもムカムカが続いたり、腹部の圧迫感で食欲がわかなかったりします。反対に、食欲がありすぎて困るという人もいます。

まず、3食しっかり取るのが難しい場合は、こまめな食事でも構わないので、一日の食事でバランスを取ることをおすすめします。決して、少ししか食べられなかった分を、スナック菓子やチョコレートといったお菓子で補おうとしてはいけません。カロリーに配慮は必要ですが、万が一、なかなか食事がとれない場合は、高カロリーで栄養価が高いものを選んでもよいでしょう。食欲旺盛な場合は、食事量は適量にし、満腹感が得やすいものや噛みごたえのあるものを選んで食べすぎないよう気をつけてください。趣味などを見つけ、食事から注意を背けるのも一つの方法です。

妊娠中に摂りたい栄養素

妊娠中は、栄養バランスに配慮した食事が勧められています。しかし、栄養バランスに配慮した食事をしているつもりでも不足してしまう栄養素もあります。そこで、妊娠中の食事でこれだけは押さえたい栄養素を紹介したいと思います。

まずは、葉酸。ビタミンB群の一つで、赤ちゃんの先天性異常である二分脊椎や貧血の予防に作用します。名前の由来となっているホウレン草などの青菜野菜に多く含まれています。レバーにも多く含まれていますが、妊娠中の過剰摂取を避けたいビタミンAがレバーには多く含まれていますので注意が必要です。卵に含まれる葉酸は、他の食品に含まれる葉酸とタイプが異なり、体内への吸収率が良いのでおすすめです。

鉄分は、妊娠中になりやすい鉄欠乏性貧血を予防してくれます。レバーに多く含まれますが、ビタミンAの問題がありますので、やはりおすすめできません。納豆や小松菜、ヒジキなどをうまく取り入れてみましょう。因みに、悪性貧血予防には葉酸とビタミンB12がポイントになります。

赤ちゃんの骨や歯を作るカルシウムもしっかり摂取したい栄養素です。牛乳などの乳製品や小魚、わかめ、小松菜や大豆製品に多く含まれています。豆腐は低カロリーでアレンジもきくので、カロリーに配慮したい妊婦さんにおすすめです。

妊娠中なりやすい便秘予防には、食物繊維の積極的摂取がおすすめです。食べやすい食材としては、納豆や枝豆などがあげられます。葉酸は胃腸粘膜を強くしてくれる作用もありますので、合わせてとりたいですね。

妊娠中の食事は、葉酸を中心に鉄やカルシウム、食物繊維を積極的にとることをおすすめします。