お腹の中の胎児を健やかにはぐくむ効果があるため、葉酸サプリは妊活や妊娠中の女性の間で話題となり、徐々に認知されるようになりました。
では、葉酸は妊婦さんにしか関係ないものかというと、そうではありません。
葉酸はすべての人間に必要不可欠な、とても重要な栄養素なのです。
がん予防に効果がある
葉酸が胎児に良いとされているのは、細胞分裂のときにDNAを間違ってコピーするのを防ぐ働きがあるからです。
胎児は受精の瞬間から凄まじいスピードで細胞分裂をくり返し、人間の身体を形成していきます。
それの元となるのが生命の設計図と呼ばれているDNAです。
しかしこのDNA、何度も細胞分裂をくり返すと、たまにコピーをミスしてしまうことがあります。このDNAのコピーミスが、先天性奇形や流産の原因になるのです。
胎児に比べれば緩やかですが、細胞分裂は死ぬまでわたしたちの身体の中で起こっています。そのため、DNAのコピーミスは、成人した大人にも起こることなのです。
すでに母体から出た人間がDNAのコピーミスを起こすと、その間違ったDNAが使われている細胞はガン化することがあります。
よって、コピーミスを防ぐ効果がある葉酸は、ガン細胞の発生の予防にも役立つのです。
心臓発作の予防に効果がある
葉酸とビタミンB6を一緒に摂ると、心臓発作のリスクを下げる健康効果があります。
これは血管をつまらせる原因となるホモシステインの濃度を下げるためです。
ハーバード大学が14年にもわたって追跡調査した結果、葉酸をたくさん摂取したグループは、もっとも少ないグループと比べて31%も心臓発作を起こした割合が低かったそうです。
また、心臓発作を起こしてしまったときもダメージが小さく、回復が早くなるという効果もあります。
これらは血管のつまりを解消するため、心臓のほかに脳卒中や高血圧症の予防にも期待が持てます。
葉酸欠乏症はどんな人にも起こりうる
葉酸が不足すると、葉酸欠乏症という病気にかかってしまいます。
まずは疲れやすくなったり、めまいなどの症状が現れ、貧血になります。
そのまま放置していると、舌が荒れたり、うつ病、歩行困難など、どんどん症状が重くなっていきます。
葉酸は多くの食品に含まれていますが、身体に吸収されにくく、とても壊れやすい栄養素です。水につけたり加熱するだけで、栄養は半減します。
また、アルコールやタバコは葉酸を破壊し、一部の薬品は吸収を阻害します。
よって、気づかない内に葉酸不足となって欠乏症になっている人が存在するのです。
改善するためには、葉酸をしっかり摂るしか方法はありません。
葉酸はすべての人に意識的に摂って欲しい栄養素です。長く健康的な生活を続けたいなら、ぜひ葉酸を意識的に摂るようにしましょう。