葉酸不足は胎児の発育にまで悪影響を及ぼす

妊活中や妊娠中の女性が、いまでは積極的に葉酸サプリを飲むようになりました。そろそろ日本中が葉酸の力に気づきはじめています。

生命を作るには葉酸が必要

胎児は身体を形成するために、母親の体内で目まぐるしく細胞分裂をくり返しています。細胞を作るごとに遺伝子のコピーが必要となり、それには葉酸が必要です。有名なDNAの二重らせん構造も、葉酸がなくてはなりたちません。そのため葉酸不足に陥ると、胎児は細胞分裂ができなくなり、正しい発育が阻害されてしまいます。

胎児の頃の細胞分裂はとくに重要です。人は死ぬまで細胞分裂を繰り返しますが、生まれたときの細胞を元に新しい細胞を作っています。いわば生まれてきた瞬間の設計地図を死ぬまで使い続けているようなものです。ところが生まれる前にコピーをミスしてしまった場合でも、われわれはその間違った設計地図を元に身体を作り続けます。だから先天性異常で生まれてくると、自然にその部分が治ることもないのです。

葉酸不足は未熟児の原因にも

このように葉酸は胎児の成長に欠かせないものであるため、お腹の中の子供はへその緒を通じ、母親から常に葉酸を得ています。つまり葉酸は、母体からどんどん胎児へと移動しているのです。よって妊婦は毎日意識的に葉酸を摂っていても、少しでも手を抜くとすぐに不足してしまいます。

葉酸は赤血球の形成にも使われるため、不足すると母体の血液が不足します。血液は胎児に栄養を運ぶ重要な役割があるので、母親の血流が減少すれば、胎児へ十分な栄養が行き渡らなくなります。妊婦が長期間貧血状態のままでいると、生後2カ月頃の赤ちゃんも同じように貧血になることがあります。もちろん、長く低栄養状態でいることは胎児の発育によくありません。妊娠初期の貧血は奇形児のリスクが、中期からの貧血は低体重児や未熟児のリスクが高まります。

これらのリスクを防ぎ、葉酸は妊娠中の胎児の成長をサポートする働きがあるため、妊娠出産を控えた人たちは積極的に葉酸を摂るようになったのです。しっかりお腹の子供にも葉酸を行き渡らせるため、妊娠中は通常の倍の400μgの摂取が推奨されています。しかし、食事から得るのには限度があるため、どんなときでも手軽にたっぷり摂れる葉酸サプリが注目を集めているのです。

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