知らないと超危険な「葉酸欠乏症」のお話

普段の生活ではあまり聞きなれない「葉酸欠乏症」という病気をご存知でしょうか?

葉酸欠乏症とは、体内の葉酸不足が原因でおこる病気です。葉酸は水に溶ける水溶性ですから、日頃の食事から必要量を摂取し続けるのが難しい栄養素です。

葉酸欠乏症で代表的な初期症状は、体が疲れやすい・頭痛・息切れ・立ちくらみ・めまいなど。葉酸欠乏症が恐ろしいのは、こうした初期症状からさらに進行すると、様々な障害を引き起こす原因になることです。

超危険な葉酸欠乏症の症状とは?

葉酸は人間の体にとって不可欠な栄養素。細胞の生成から粘膜の健康にも作用し、不足すると貧血の原因になるだけでなく、様々な症状を引き起こします。

葉酸欠乏症による症状の一例にはこのようなものがあります。

・体の疲れ、息切れ
・頭痛
・貧血、めまい、立ちくらみ
・口内炎
・胃潰瘍
・肌の色が青白くなる
・味覚の低下
・口舌のただれ
・手足に静電気が走るようなチクチクする痛み
・体重減少
・筋力低下
・歩行困難
・うつ症状の発症
・巨赤芽球性貧血(ビタミンB12又は葉酸不足が原因の悪性貧血)

これに加え、葉酸欠乏症とビタミンB12の欠乏が重なると、認知症の発症リスクが高まります。

超危険な妊娠中の葉酸欠乏症

妊娠中、女性の体は通常よりも多くの葉酸を必要とします。葉酸の必要摂取量は通常時の2倍。このため妊婦さんが今まで通りの食事をしていると葉酸不足になりやすく、葉酸欠乏症になってしまうリスクも高まります。

では、妊婦さんが葉酸欠乏症にかかると、どのような症状が起きるのでしょう?

葉酸欠乏症は、妊婦さんに貧血などの諸症状が出るだけでなく、大切なおなかの赤ちゃんにまで悪影響を及ぼします。妊娠初期に母体が葉酸欠乏症になると「神経管閉鎖障害」という先天性異常を引き起こすリスクが高まってしまいます。

葉酸欠乏症の検査方法は?

葉酸欠乏症の診断は、血液検査になります。血液検査で巨大赤血球(巨赤芽球)が検出されると、次は血液内の葉酸値を計測します。

巨大赤血球は葉酸不足が原因のものと、ビタミンB12の不足で起こる場合があります。このため、どちらの栄養素不足が原因なのかを調べてから、適切な治療を行う必要があるのです。

葉酸欠乏症の予防と治療

病院の検査で葉酸欠乏症と診断され、治療をおこなう場合、治療法は葉酸の経口投与または筋肉注射による補給が一般的です。葉酸不足が解消すれば改善する傾向はありますが、場合によっては年単位での長期治療が必要になることもある、恐ろしい病気です。

ただし葉酸欠乏症は危険と言われる一方、葉酸の摂取だけで予防できる病気でもあります。

葉酸欠乏症の予防は、毎日の食事で葉酸摂取を意識し、バランスの良い食生活を送ることが大切です。しかし実際のところ、食事だけで必要な葉酸を摂り続けるのが難しいのも事実。ましてや妊娠中ともなれば、食事だけでは恐らくほとんどの方が不十分だと思われます。

このため最近は葉酸サプリメントで手軽に葉酸摂取ができるようになり、多くの妊婦さんが葉酸欠乏症の予防を、自分たちで手軽にできるようになりました。

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