気をつけよう!こんなに危険な葉酸不足

妊婦には大切ですが、では実際葉酸が不足するとどうなるの?と思ったことはありませんか。今回は葉酸の重要性を知るためにも、妊娠中に葉酸が不足してしまったら起こりやすい障害について説明します。

神経管閉鎖障害のリスクが上がる

葉酸は胎児の細胞分裂を正常に行わせる効果があるため、不足すると細胞分裂に異常が起こり、先天性の障害を持って生まれるリスクが高まります。胎児は妊娠4〜5週目あたりに脳や脊椎が形成され、ここに異常が起こると生まれてから神経管閉鎖症となります。神経管のどの場所に異常が出るかで症状が変わってきて、流産や死産の原因にもなります。

神経管の下部に異常が出た場合は二分脊椎症となり、腰椎に異常があると足の神経麻痺、仙骨に異常があると排尿排便障害が起こります。症状には差があり、水頭症などほかの合併症を伴うものもある一方で、本人でさえ気づかないものもあります。

神経菅の上部で異常が出た場合は無脳症となります。これは形成に失敗し、脳がないか大きく欠損してしまった状態のことです。身体には異常がありませんが、頭部は頭蓋骨や眼球が形成されていないこともあり、生命を維持することができないため、無事に生まれても短い期間しか生きることはできません。生まれる前の検査でわかると中絶を勧められることが多いです。

日本人に多い口唇口蓋裂も葉酸不足が原因

口唇口蓋裂は顔の奇形で、唇やアゴが割れている状態で生まれてくる先天性の異常です。胎児の頃に顔の形成中に異常が生じると起こります。口唇口蓋裂は体の表面で起こる障害の中ではもっとも多いものの一つです。特に日本人に多いとされ、500人に1人はこの障害を持って生まれてきます。

口唇口蓋裂は命に関わる異常ではありませんが、顔の異常であるためショックを受ける人が多いようです。手術や歯列矯正を行うことで完治させることは可能ですが、何度も長い年月をかけて手術をくり返す必要があります。

原因はまだはっきりと確定していませんが、葉酸不足もその一つであると考えられています。

すべてに効果的なのは葉酸

神経管閉鎖症も口唇口蓋裂も、葉酸をしっかり摂ることで予防することが可能です。

実は葉酸と胎児の関係は海外では昔から着目されていて、アメリカでは国を挙げて葉酸を摂るよう推奨したところ劇的に神経管閉鎖症の割合が減ったそうです。残念ながら日本はこの面では十年遅れていると言われています。実際、いまだに妊婦でも重要性を理解していない人もいるくらいです。

この記事を読み、葉酸不足の怖さを知った人はチャンスです。我が子の身は親であるあなたが守りましょう。子供を産みたいと思っているのなら、ぜひ葉酸を積極的に摂るようにしてください。